出張

さて。秋も深まる11月下旬。
わたくしには毎年恒例の出張(することに決めただけ)が1件あるのでございます。
先だっての記事でも紹介しましたが、
真っ赤な口紅の似合うお婆ちゃまがお一人で営んでいるお宿に宿泊です。
今年も行ってまいりました。
ばあちゃん。心なしか、

去年より若返ったのと違うか?と思うほどの美しい、まっかっかの口紅。
玄関先にて三つ指ついて(?る勢い)でお迎えしていただきました。

ばあちゃん:「前もお泊り頂いて~♪、ねぇ?・・・・?。ありがとうございますぅ」

 (やっぱり、なんとなく忘れてるっぽい。)

わたくし:「そぉなんですよぉ。ちょうど去年の今頃でした。」
ばあちゃん:「あっらぁ~。。。春頃やと思ってたけど、そうなん?」
わたくし:「・・・・・・。」(それ予約の電話の会話と一緒ですやん。)

去年と同じ部屋に通していただき、

寒いから使ってね とオイルヒーターを指差すばぁちゃん。
ちゃぶ台には懐かしのどでかいガラスの灰皿と茶器セット。
仏壇みたいな観音開きの戸棚の中にあるテレビは・・・・おお!すばらしい。
デジタル放送対応タイプにかわってる!

ちゃぶ台、年期モノ。縁のめくれ具合がたまりまへん。

「ほな、ゆっくりやすんでください~」
満面の笑みでばあちゃんが去り、オイルヒーターの電源を入れるわたくし。

待つこと10秒。カチカチカチカチカチ・・・・・ぼぅわっ!!!
「ひぃ~っ!」(わたくし後ずさる)

30cmほどの青い炎と黒い煙を、真横に座るわたくしに向ってどっはーと吐き出しよるオイルヒーター。
たちこめる焦げた埃のにおい。
ななな。なんやねん。ぼぅわっ!・・・・・ってぇ。。。どんだけ使ってないねん。

その後21:00。翌日の本番に向けた打ち合わせから帰ると
「お客さん、お風呂にする?今やったら空いてますさかい。」
そう、ここのお風呂は家族風呂♪。
他の宿泊客(一応居る)と時間を区切って譲り合って使うのです。
そして!洗面所、お手洗いも共同なのでつ!廊下のつきあたり。
洗面台 2台。お湯なし。。。。。
もうさ〜ほんまのことゆ〜とさ〜

黒煙を吐くヒーターより。ごみ浮きまくりの湯船より。

パンツ一枚で廊下をうろつく隣の部屋の兄ちゃんより。鍵の壊れた客室より。
・・・・・湯の出ない洗顔タイムが一番コタエルわたくしだった。
え~ん。どこやねん、ここは。

それでも。
仕事の現場から歩いて2分、とりあえず満室にならない宿があることは
とっても嬉しい。

たとえ、今年の領収証 「も」 

浜本様



書かれていても!

許しちゃうぜ!ばあちゃん!真っ赤な口紅が似合っているぜ!
一人で切り盛りするのは大変なはず。
でもきっと、お客さんのために朝からきちんとお化粧していらっしゃるのです。
すてきです。

ありがとう。。。今年もゆっくり眠らせてもらえました。。。

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